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    【動】亥年のうちに京(みやこ)の猪 その3(南禅寺・聴松院)

    カテゴリ:【動】京都の動物~京都の街の動かない動物たち、つまりオブジェとしての動物を取り上げます。


    ミニブログコーナー:このブログ初めて7年3か月ほど経ちますが、10周年を迎えることができたらやりたいことを見つけてしまいました。それは・・・京都タワーのライトアップを申し込むこと。京都タワーの色付きライトアップは個人でも申し込むことができるんです。魂京都10周年を京都の町を照らすタワーが祝うなんて、凄いことだと思いませんか。今から貯金に励んでおこうと思います。
    今年の2月に本年の干支・猪にちなんだ取材をしましたが、記事にできずに年末まできてしまいました。もったいないので、亥年のうちに京都の猪たちを紹介します。

    南禅寺・聴松院

    聴松院への道_H31.02.10撮影
    聴松院への道 H31.02.10撮影

    亥年の最後にご紹介する京の猪は、南禅寺です。南禅寺の山門に向かって左の方角へ進み、最初に右に曲がれる道を右折して下さい。写真の場所を右折です。

    南禅寺・聴松院_H31.02.10撮影
    南禅寺・聴松院・西門から H31.02.10撮影

    こちらは南禅寺の塔頭、聴松院。南禅寺の14世清拙正澄(せいせつ・しょうちょう)の墓所がある場所です。こちらに猪がいることは、意外に知られていません。

    南禅寺・聴松院本堂_H31.02.10撮影
    南禅寺・聴松院摩利支天堂 H31.02.10撮影

    西門の奥が摩利支天堂です。こちらの御本尊の摩利支天は秘仏になっています。

    南禅寺・聴松院の梅_H31.02.10撮影
    南禅寺・聴松院の梅 H31.02.10撮影

    門外からも見える摩利支天堂の前の白梅が印象的ですが、この梅は早咲きで知られているそうです。

    南禅寺・聴松院の狛猪(阿形)_R01.12.27撮影
    南禅寺・聴松院の狛猪(阿形) R01.12.27追加取材時撮影

    摩利支天堂に向かって右側にあるのが阿形の猪です。背びれのようなものは毛がぴょんと立っている様子を表しています。

    南禅寺・聴松院の狛猪(阿形)_H31.02.10撮影
    南禅寺・聴松院の狛猪(阿形) H31.02.10撮影

    開いた口の中と、足元にはお賽銭が置かれています。随分と鼻息も荒そうです。

    南禅寺・聴松院の狛猪(阿形)_H31.02.10撮影
    南禅寺・聴松院の狛猪(阿形) H31.02.10撮影

    ギザギザした歯が、とてもリアルに見えます。まるで魚のよう。髭は刻んだ線で表現されています。よく見ると、下顎がセメントのような違う素材で修復されているのがわかりました。

    南禅寺・聴松院の狛猪(吽形)_H31.02.10撮影
    南禅寺・聴松院の狛猪(吽形) H31.02.10撮影

    こちらは反対側、摩利支天堂向かって左側の吽形の猪です。

    南禅寺・聴松院の狛猪(吽形)_H31.02.10撮影
    南禅寺・聴松院の狛猪(吽形) H31.02.10撮影

    目の中にひび割れのようなものが入って、離れて見てみると瞳があるように見えます。ギョロリと後方を見ているみたいに見えます。

    南禅寺・聴松院の狛猪(吽形)_H31.02.10撮影
    南禅寺・聴松院の狛猪(吽形) H31.02.10撮影

    顔の反対側をよく見てみたら、目にまつ毛があることに気づきました。耳の中の線も毛の表現でしょう。これらの特徴は阿形も同様です。

    南禅寺・聴松院の狛猪(吽形)_H31.02.10撮影
    南禅寺・聴松院の狛猪(吽形) H31.02.10撮影

    後ろに回ると、かわいらしい尻尾がついています。まつ毛と同じように毛並みが線で表現されていました。

    南禅寺・聴松院の狛猪(吽形)_H31.02.10撮影

    吽形の猪は、手前側の下腹部の辺りに大きな剥がれがあります。2頭とも汚れや緑青のような吹き出し、べっとりついた泥汚れと"こけ"が見受けられます。どうやら汚れは日当たりも関係しているようです。

    南禅寺・聴松院の狛猪(吽形)・銘_H31.02.10撮影
    南禅寺・聴松院の狛猪(吽形)・銘 H31.02.10撮影

    各台座には寄進者らしき人物が刻まれています。阿行の方に「小野吉兵衛」「吉田定治郎」、吽形の方に「小野清太郎」「後藤清七」「西川鹿子吉」の名前が確認できました。雰囲気的には、明治時代以降でしょうか。

    聴松院を参拝された方のツイートをご紹介します。



    (地図はブラウザがIEの場合表示されないことがあります。)

    大豊神社の狛ねずみ_H25.10.12撮影
    H25.10.12撮影

    今回は、亥年の最後に京の猪を御紹介させて戴きました。来年の干支はねずみ。こちらの可愛らしい二匹のねずみに、初詣が殺到することでしょう。(場所はどこか探してみて下さい。)
    H31.2取材/R01.12UP/R01.12再取材/R01.1加筆修正

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    テーマ:京都 - ジャンル:地域情報

    2019.12.25 | | Comments(0) | Trackback(0) | 【動】京都の動物

    【動】亥年のうちに京(みやこ)の猪 その2(西陣・本法寺大摩利支天尊堂)

    カテゴリ:【動】京都の動物~京都の街の動かない動物たち、つまりオブジェとしての動物を取り上げます。


    ミニブログコーナー:上洛前の駆け込み更新です(笑) 前回、カメラ代わりにiphoneを2個持ちで上洛したのですが、充電が大変なので、今回はコダックのコンパクトデジカメ(FZ101BK・ブラック)を購入しました。最近はスマホのカメラがだいぶ良くなったので、コンデジはあまり売っていないんですね。時代の移り変わりを感じました。二十年ほど前に「今度imodeがカラーになるらしいよ。」「うっそだー」と会話していたのを、懐かしく思い出しました。
    今年の2月に本年の干支・にちなんだ取材をしましたが、記事にできずに年末まできてしまいました。もったいないので、亥年のうちに京都のたちを紹介します。

    西陣・本法寺

    本法寺前の小川通_H31.02.08撮影
    本法寺前の小川通 H31.02.08撮影

    広い西陣の東限を区切る小川通は、表千家の不審庵や裏千家の今日庵がある、実に西陣らしい静かな石畳の道です。

    本法寺・仁王門_H31.02.08撮影
    本法寺・仁王門 H31.02.08撮影

    小川通に面して建つ仁王門の内側が本法寺です。日蓮宗の本山(由緒寺院)の一つで、山号は叡昌山、安土桃山時代の絵師・長谷川等伯ゆかりの寺ということと、江戸初期の文化人・本阿弥光悦の「巴の庭」でよく知られています。

    本法寺・仁王門のお達者ぞうり_H31.02.08撮影
    本法寺・仁王門のお達者ぞうり H31.02.08撮影

    仁王門には、祀られる金剛力士に足腰の健康を願う「お達者ぞうり」とよばれる草履が奉納されています。

    本法寺・参道_H31.02.08撮影
    本法寺・参道_H31.02.08撮影

    仁王門から参道にかけて、「大摩利支尊天」ののぼり旗が立ち並んでいます。奥の塔は多宝塔です。

    本法寺・摩利支尊天堂_H31.02.08撮影

    仁王門を抜けてのぼり旗沿いに歩き、参道の右側の石鳥居のある場所が大摩利支尊天堂になります。

    本法寺・摩利支尊天堂_H31.02.08撮影
    本法寺・摩利支尊天堂 H31.02.08撮影

    駒札には、「当山安置の大摩利支尊天は、力(気力・体力・財力)の守護神として諸天善神中、最も霊験顕著なり、依って古来より崇敬絶えず、」とあります。こちらに今回のお題になる西陣のがいるのです。

    本法寺・北辰殿_H31.02.08撮影
    本法寺・北辰殿 H31.02.08撮影

    大摩利支尊天堂は向かって右の渡り廊下でつながった北辰殿と、裏にある建物の3つで構成されています。

    本法寺・狛猪(阿形)_H31.02.08撮影
    本法寺・狛(阿形) H31.02.08撮影

    西陣のは、岩に足をかけ顔は天を仰ぎ見る勢いのある姿ですが、顔はイルカのように優しい顔つきをしています。

    本法寺・狛猪(阿形)_H31.02.08撮影
    本法寺・狛猪(阿形) H31.02.08撮影

    残念ながら、反対側の前足は欠けてしまっています。

    本法寺・狛猪(阿形)_H31.02.08撮影
    本法寺・狛猪(阿形) H31.02.08撮影

    開いた口からは立派な牙がのぞきますが、歯は一部なくなってしまっていました。表面の剥がれやヒビも痛々しいです。

    本法寺・狛猪(吽形)_H31.02.08撮影
    本法寺・狛猪(吽形)_H31.02.08撮影

    吽形の方も片方の前足がありません。こちらはコケもついており、より年季の古さを感じさせます。

    本法寺・狛猪(吽形)_H31.02.08撮影
    本法寺・狛猪(吽形) H31.02.08撮影

    天に向かって高く突き上げた口、そして閉じた口からも歯がのぞいています。

    本法寺・狛猪(吽形)_H31.02.08撮影
    本法寺・狛猪(吽形) H31.02.08撮影

    どちらの猪も痛みが激しく、比較的古い時代に作られたもののようです。

    本法寺・狛猪(吽形)_H31.02.08撮影
    本法寺・狛猪(吽形) H31.02.08撮影

    傷み具合から、この狛猪は江戸期のものかと思いましたが、台座の後ろには「明治三十年」の文字が見えました。

    本法寺・狛猪台座_H31.02.08撮影
    本法寺・狛猪の台座 H31.02.08撮影

    台座には発起人などが多数刻まれていますが、「叡昌山第五十二世修師御代」との文字がありますので、1897(明治30)年の52代目の貫主の時代に、この狛犬が奉納されたものと思われます。

    本法寺の公式ツイッター


    参拝された方のツイ―ト




    MAP
    (地図はブラウザがIEの場合表示されないことがあります。)

    本法寺公式サイト
    https://eishouzan.honpouji.nichiren-shu.jp/index.htm


    H31.2取材/R01.12UP

    テーマ:京都 - ジャンル:地域情報

    2019.12.17 | | Comments(0) | Trackback(0) | 【動】京都の動物

    【動】亥年のうちに京(みやこ)の猪 その1(建仁寺・禅居庵他)

    カテゴリ:【動】京都の動物~京都の街の動かない動物たち、つまりオブジェとしての動物を取り上げます。


    ミニブログコーナー:臨時収入があったのでノートPCを買い換えました。4年前からdynabookだったのですが、今回もdynabookにしたのですが、dynabookはもう東芝ではなくなっているんですね、驚きました。(常識か!)今まで使っていたノートPCはキーボードが壊れていたり、動作が重かったりで使いづらかったのですが、新PCは快適です。
    今年の2月に本年の干支・猪にちなんだ取材をしましたが、記事にできずに年末まできてしまいました。もったいないので、亥年のうちに京都の猪たちを紹介します。

    護王神社

    護王神社・亥年の大絵馬_H31.02.08撮影
    護王神社・亥年の大絵馬 H31.02.08撮影

    護王神社は、京都で猪にまつわる神社としては一番有名なスポットでしょう。以前の記事でご紹介しましたので、今回は省略して過去のリンクをご参照下さい。境内に飾られる干支の大絵馬も、今年の干支・猪になっていました。

    【動】和気清麻呂公といのしし~護王神社 その1
    【動】和気清麻呂公といのしし~護王神社 その2




    (地図はブラウザがIEの場合表示されないことがあります。)


    護王神社:京都市上京区下長者町下ル桜鶴円町385(公式サイト)


    高台寺春光院

    高台寺春光院の摩利支天像_H31.02.08撮影

    高台寺春光院・摩利支天像_H31.02.08撮影
    高台寺春光院摩利支天像 H31.02.08撮影

    こちらも過去記事でご紹介していますが、ねねの道にある高台寺塔頭の春光院の門前に置かれている、猪に乗った摩利支天像です。触れ仏として触ることで、護身・蓄財等のご利益を頂くことができます。

    【石】東山・路傍の触れ仏 その1




    通常は非公開ですが、特別公開されることもあります。なお春光院は、花園の妙心寺にもありますので御注意下さい。
    (地図はブラウザがIEの場合表示されないことがあります。)


    高台寺塔頭・春光院:京都市東山区八坂鳥居前下下河原531


    建仁寺禅居庵

    禅居庵・南門_H31.02.08撮影
    禅居庵・南門 H31.02.08撮影

    京の猪で護王神社と並んで有名なのは、建仁寺の塔頭・禅居庵でしょう。別名・摩利支天堂とよばれており、宝仙寺(金沢市)、大徳寺(東京都台東区)とともに日本三大摩利支天の一つに数えられています。

    禅居庵・摩利支天堂_H31.02.08撮影
    禅居庵・摩利支天堂 H31.02.08撮影

    摩利支天は実体がない陽炎の光が神格化ものと信じられ、光は捕らえられたり傷つけられたりすることがないことから、開運、勝利の神として、多くの武将に信仰されました。猪に乗った姿で表現されることが多いことから、猪は摩利支天の使いとされているのです。

    禅居庵・狛猪(西門)_H31.02.08撮影
    禅居庵・狛猪(西門)阿形 H31.02.08撮影

    西門側の狛猪です。何となくコミカルでイルカのよう。口を閉じているように見えますが、微かに口を開けています。よく見ると、舌を出している表現でした。

    禅居庵・狛猪(西門)_H31.02.08撮影
    禅居庵・狛猪(西門)吽形 H31.02.08撮影

    台座には、どちらも寄進者である奥田氏の名が刻まれています。阿吽とも、足元にお賽銭が置かれていました。

    禅居庵・狛猪(境内)_H31.02.08撮影
    禅居庵・狛猪(境内)阿行 H31.02.08撮影

    西門から入った参道に置かれている、やや赤茶けた狛猪です。ずんぐりとして牛のようなパワー系の猪です。大きな牙と、口からのぞいた大きな舌が不気味で、凶悪さを感じさせます。岩に足をかけるのではなく、犬のようにお座りをした状態で、尻尾が長く表現されていることが特徴的です。

    禅居庵・狛猪(境内)_H31.02.08撮影
    禅居庵・狛猪(境内)吽行 H31.02.08撮影

    台座の銘からは、昭和2年2月の節分に静岡県駿東郡の玉木和作(阿形側)と玉木静子(吽形側)という人物によって、この阿吽の猪が奉納されたことがわかります。

    禅居庵・絵馬_H31.02.08撮影
    禅居庵・絵馬 H31.02.08撮影

    本殿前の絵馬掛けには、たくさんの猪の絵馬が奉納されています。絵馬の図案は建仁寺本山法堂の天井画「双龍図」の作者で、日本画家の小泉淳作氏が描いたものです。

    禅居庵・ブロンズの猪_H31.02.08撮影
    禅居庵・ブロンズの猪 H31.02.08撮影

    禅居庵・いのししみくじ_H31.02.08撮影
    禅居庵・いのししみくじ H31.02.08撮影

    ブロンズの猪の周りには、無数の小さくて可愛らしい猪が。この小さな猪は、亥みくじが入っている陶製の入れ物です。

    禅居庵・狛猪(本殿前)_H31.02.08撮影
    禅居庵・狛猪(本堂前)阿行 H31.02.08撮影

    本殿の前の狛猪は小ぶりで可愛いく、まるでうり坊のようです。石質のせいか、全体的に磨耗はしているものの、そこまでは痛んでないので比較的新しいものではないでしょうか。

    禅居庵・狛猪(本殿前)_H31.02.08撮影
    禅居庵・狛猪(本堂前)吽形 H31.02.08撮影

    台座には奉納した人の名と思われる「田中」の文字だけが、私には確認できました。

    禅居庵・狛猪(境内)_H31.02.08撮影
    禅居庵・狛猪(境内) 阿行 H31.02.08撮影

    南門から入ってすぐの狛猪です。毛の表現が雑ですが、流れるような躍動感があります。また、口の中がに小さな穴が開いていて虫歯のように見えます。

    禅居庵・狛猪(境内)_H31.02.08撮影
    禅居庵・狛猪(境内) 吽行 H31.02.08撮影

    こちらも今にも走り出しそうです。台座の銘には、阿吽とも「田中祥介」と彫られてありました。

    禅居庵・本堂_H31.02.08撮影
    禅居庵・摩利支天堂 H31.02.08撮影

    摩利支天堂とよばれる禅居庵ですが、意外にも御本尊は聖観音です。七頭の猪の上に坐した三面六臂の摩利支天像は秘仏となっており、毎年10月20日の御開帳大祭のみ公開されます。

    禅居庵・摩利支天堂_R01.12.28撮影
    禅居庵・摩利支天堂 R01.12.28撮影

    堂内は撮影禁止ですが、本尊の下方ににも小さな阿吽の猪が、摩利支天を見上げるように2匹控えていました。また堂内には猪の置物がケースで陳列されています。

    手水場の猪_H31.02.08撮影
    手水場の猪 H31.02.08撮影

    禅居庵・本堂欄間の猪_R01.12.28撮影
    禅居庵・本堂欄間の猪_R01.12.28撮影

    禅居庵は狛猪を中心にご紹介しましたが、まだ境内に他にもたくさんの猪たちがいます。参拝したらぜひ、探してみて下さい。




    (地図はブラウザがIEの場合表示されないことがあります。)


    建仁寺塔頭・禅居庵:京都市東山区 四条下る4丁目小松町146(公式サイト)
    H31.2取材/R01.12UP/R01.12.28追加取材/R02.01加筆修正

    テーマ:京都 - ジャンル:地域情報

    2019.12.14 | | Comments(0) | Trackback(0) | 【動】京都の動物

    【動】下御霊の笑う狛犬と・・・

    カテゴリ:【動】京都の動物~京都の街の動かない動物たち、つまりオブジェとしての動物を取り上げます。


    ミニブログコーナー:もう周年は過ぎてしまいましたが、上洛すると必ず寄らせて頂く木屋町のバー・ママトルティさんが12/6で9周年を迎えられたそうで、本当におめでとうございます。関東人の私をいつも暖かく迎えてくれて、心から感謝です。ママや常連さんがサザン好きなのも嬉しくて、これからもますますのご発展をお祈りしています。気になる方は"木屋町 ママトルティ"で検索して見てください。ちなみに女性が一人で行っても安心なお店ですよ。
    (ブラウザがIEの場合表示されないことがあります。)

    京都御苑の南を東西に走る丸太町通りから寺町通りを少し南へ下ったところにある、こじんまりとした静かな神社が下御霊神社です。

    下御霊神社・正門_H30.06.15撮影
    下御霊神社・正門 H30.06.15撮影

    静かとは言いますが、祀っている祭神は八所御霊と称される、早良親王、伊予親王、藤原吉子、藤原広嗣、橘逸勢、文屋宮田麻呂ら貴人たちの激しい怨霊と二柱の荒魂、和魂です。

    下御霊神社・本殿_H30.06.15撮影
    下御霊神社・本殿 H30.06.15撮影

    彼らをなぐさめるために、863(貞観5)年に神泉苑で行われた御霊会が記録に残るこの神社の始まりとされていますが、未だ詳しいことはわかっていません。ちなみに下御霊神社のご利益は疫病退散、家内安全、家業繁栄、学業成就です。

    下御霊神社・狛犬(吽形)_H30.06.15撮影
    wikipedia 上御霊神社より

    下御霊神社は、上京区の神御霊神社と共に、怨霊を畏怖しこれを鎮めて御霊とすることにより、逆に災厄を守護と繁栄に変えるという"御霊信仰"を旨とする神社です。

    下御霊神社・狛犬(吽形)_H30.06.15撮影
    下御霊神社・狛犬(吽形) H30.06.15撮影

    門前の鳥居の脇に控える狛犬の片方が今回のメインになります。残念ながら今回の主役ではないのですが、こちらは向かって左側の吽形の狛犬です。

    下御霊神社・狛犬(吽形)の土台_H30.06.15撮影
    下御霊神社・狛犬(吽形)の土台 H30.06.15撮影

    土台に、この狛犬を寄進した北村民部正勝祥という人物の名が刻まれています。この人物の名を検索してみましたがヒットしなかったので、おそらくはこの地域の有力者ではなかったかと思われます。

    下御霊神社・狛犬(吽形)_H30.06.15撮影
    下御霊神社・狛犬(吽形) H30.06.15撮影

    顔を見ると飛び出た目玉と、獅子舞のような歯。しかも歯が思い切り出っ歯になっているのがインパクトあり。顔が煤けたように黒くなっているのも、年季を感じさせます。

    下御霊神社・狛犬(阿形)_H30.06.15撮影
    下御霊神社・狛犬(阿形) H30.06.15撮影

    今回、ご紹介したいのは反対側の阿形の狛犬。巷では大きく開いた口が、笑っているように見えると云われています。こちらも顔の色は鍋の底のように真っ黒です。

    下御霊神社・狛犬(阿形)_H30.06.15撮影
    下御霊神社・狛犬(阿形) H30.06.15撮影

    ただ笑っているだけでなく、口が受け口になっていて"アイーン"の口をしているように見えるのも、ネタになる一因なのでしょう。

    下御霊神社・狛犬(阿形)_H30.06.15撮影
    下御霊神社・狛犬(阿形) H30.06.15撮影

    吽形と同じく前歯がビッシリ表現されています。飛び出た目玉と団子鼻も同じです。若干造りが雑な所も、愛嬌を感じさせます。

    下御霊神社・狛犬(阿形)_H30.06.15撮影
    下御霊神社・狛犬(阿形) H30.06.15撮影

    阿形の狛犬は正面から見ると、鳥居と駒札の間から覗いているように見えるところも、何となくコミカルです。

    下御霊神社・狛犬(阿形)の土台_H30.06.15撮影
    下御霊神社・狛犬(阿形)の土台 H30.06.15撮影

    土台には"嘉永七年""甲寅(きのえとら)春正月"と刻まれています。"嘉"が判読しづらいですが、嘉永7(1852)年は甲寅なので、間違いありません。この狛犬は、ペリー来航の翌年に建造されたものということになります。

    下御霊神社・絵馬_H30.06.15撮影
    下御霊神社・絵馬 H30.06.15撮影

    神社でもこの狛犬を推しているようで、絵馬のデザインにも阿吽の2頭揃っての登場しています。絵馬は1枚700円で公式WEBにも"一部で話題の笑う狛犬"との表記がありました。しかし、読んでみると神社としては笑っているわけではないという見解のようです。

    下御霊神社・狛犬御籤_H30.06.15撮影

    下御霊神社・狛犬御籤_H30.06.15撮影
    下御霊神社・狛犬御籤(みくじ) H30.06.15撮影

    狛犬御籤は200円、こちらは笑っている阿形の方のみの登場。ほのぼのした感じのタッチで、親近感が湧いてきます。

    下御霊神社・アジサイ_H30.06.15撮影

    下御霊神社・アジサイ_H30.06.15撮影
    下御霊神社・アジサイ H30.06.15撮影

    参拝をして境内を散策。ちょうどこの時期、境内の大きなアジサイが2.3か所咲いており、アジサイの栽培が好きな私は、大粒のアジサイを充分堪能させて頂きました。写真ではパープルに見えますが、実際はもっと鮮やかなブルーでした。

    下御霊神社・拝殿_H30.06.15撮影
    下御霊神社・拝殿 H30.06.15撮影

    境内の中央にあり、形から舞殿のように見えますが、公式WEBでは拝殿となっています。確かに向こう側は本殿になっていますが、こういう配置の拝殿は珍しい気がします。

    下御霊神社・稲荷社_H30.06.15撮影
    下御霊神社・稲荷社 H30.06.15撮影

    境内の西側、正門の近くに末社の稲荷社がありました。4基並んだ鳥居の前に狛狐がいるのがわかります。

    下御霊神社・稲荷社の狛狐_H30.06.15撮影
    下御霊神社・稲荷社の狛狐 H30.06.15撮影

    そばに近づいてみると2基とも、狭苦しい金網の中に閉じ込められていました。以前に紹介した、京都御所の猿が辻や赤山禅院、新日吉神宮の猿も金網に入れられていましたが、このような狛狐を見たのは初めてです。WEBで検索しても目立っては現れてこないので、下御霊神社に狛狐がいるのは意外と知られていないようです。

    下御霊神社・稲荷社の狛狐_H30.06.15撮影
    下御霊神社・稲荷社の狛狐 H30.06.15撮影

    よく探してみると、こちらのページでは、この狐は1915(大正4)年製とされています。(下御霊の狛犬が1907(明治40)年になっていますが、おそらくは今回のテーマの狛犬とは別かと思われます。他にあるのかはいずれ確認します。)

    下御霊神社・稲荷社の狛狐_H30.06.15撮影
    下御霊神社・稲荷社の狛狐 H30.06.15撮影

    何か閉じ込められる理由があるのでしょうか。夜な夜なこの辺りを徘徊したなどの伝説があるのかも知れません。

    下御霊神社・稲荷社の狛狐_H30.06.15撮影
    下御霊神社・稲荷社の狛狐 H30.06.15撮影

    どちらも目つきが鋭い上に、口の周りの金網が食い破られているかのように見えるのが、この像の怖さを倍増させています。今回は下御霊神社の笑う狛犬と恐ろしい狛狐をご紹介させて頂きました。
    下御霊神社:京都府京都市上京区新烏丸通丸太町下る信富町324(公式WEB)
    H30.6取材/H30.12UP

    テーマ:京都 - ジャンル:地域情報

    2018.12.12 | | Comments(0) | Trackback(0) | 【動】京都の動物

    【動】宗忠神社の逆立ち狛犬

    カテゴリ:【動】京都の動物~京都の街の動かない動物たち、つまりオブジェとしての動物を取り上げます。


    ミニブログコーナー:そろそろ冬の京都の予定を決めようかと思っていますが、今回のテーマをさらに深めたく、京都の狛犬をあちこち取材しようかと思っています。あとは京都のあちこちに散った蓮華寺の石仏群も。時期は年明けの1月中旬くらいになるでしょうか。でもその前に、前回の取材分を早くアップしないとですね。


    吉田山周辺地図_H30.10.15作成

    神楽岡ともよばれる吉田山は、地図で眺めると東山連峰から飛び出した離れ小島のようにみえますが、東山三十六峰の一つに含まる丘陵地です。

    宗忠神社・鳥居_H30.06.15撮影
    宗忠神社・鳥居 H30.06.15撮影

    その吉田山の南の部分に今回の訪問地、宗忠神社があります。こちらが吉田山の最南端にある参道の入り口です。ブラタモリ風に言えばここが"台地のキワ"になるのでしょうか。

    宗忠神社・鳥居_H17.04.09撮影
    宗忠神社・鳥居(春) H17.04.09撮影

    10年以上前の写真になりますが、この石段、春には桜のトンネルで美しく飾られます。見応えがあるのに、そこまで混みあわないので、桜の時期に京都を訪れた時は、ここに私もよく桜を見に行きていました。

    宗忠神社・本殿_H25.06.16撮影
    宗忠神社・本殿 H25.06.16撮影

    宗忠神社は江戸時代後期に開かれた神道の一派の黒住教の教祖、黒住宗忠を祀る神社です。黒住教の本部がある岡山にも宗忠神社があるので、区別するためにこちらは神楽岡宗忠神社ともよばれています。

    宗忠神社・逆立ち狛犬(阿形)_H30.06.15撮影
    宗忠神社・逆立ち狛犬(阿形) H30.06.15撮影

    この鳥居前で睨みを利かせているのが、今回のテーマの逆立ち狛犬になります。まず、向かって右が阿行の狛犬。見事に逆立ちをしています。体躯の筋肉がボコボコと盛り上がって、躍動感あふれる一瞬をとらえた見事な立ち姿です。

    宗忠神社・逆立ち狛犬(阿形)_H30.06.15撮影
    宗忠神社・逆立ち狛犬(阿形) H30.06.15撮影

    腹の部分は滑らかですが、足は裏側もきちんと筋肉が表現されていました。頭や尾、前足の巻き毛の表現も細かくなされています。

    宗忠神社・逆立ち狛犬(阿形)_H30.06.15撮影
    宗忠神社・逆立ち狛犬(阿形) H30.06.15撮影

    陶器製のため中が空洞なので、開けた口や鼻の孔もリアルに見えます。口の中には何か居そう。今にも息遣いが聞こえてくるような感じです。一般に狛犬とよんでいますが、本来は獅子と犬との組み合わせで、口を開けた阿行の方が獅子とよばれることがおおくありました。

    宗忠神社・逆立ち狛犬(吽形・うんぎょう)_H30.06.15撮影
    宗忠神社・逆立ち狛犬(吽形・うんぎょう) H30.06.15撮影

    こちらは向かって左側の吽形の狛犬です。こちらも阿形に劣らず、鼻息荒く今にも飛びついてきそうな迫力です。ちなみに何故逆立ちをしているかについて、神社の公式ページでは"歓迎の意味がある説"が書かれていました。

    宗忠神社・逆立ち狛犬(吽形・うんぎょう)_H30.06.15撮影
    宗忠神社・逆立ち狛犬(吽形・うんぎょう) H30.06.15撮影

    後ろから見ると、綺麗なL字型をしていますが、これは像の安定を保つためでしょうか。外からわかりませんが、何らかの形で狛犬は礎石に固定されているようです。後ろに見えるのは神明鳥居の型の一つとして、この神社の名がついた宗忠鳥居とよばれる形式の鳥居です。

    宗忠神社・逆立ち狛犬(吽形・うんぎょう)_H30.06.15撮影
    宗忠神社・逆立ち狛犬(吽形・うんぎょう) H30.06.15撮影

    一見すると素材は、光沢から金属性のようにも見えます。手で軽く叩くと金属のような音がしますが、実は陶器の備前焼です。陶器は詳しくないので上手く表現できませんが、高級な植木鉢のような陶器にコーティングした質感。備前焼でなおかつ逆立ちしている狛犬は、全国でもあまり例を見ないそうです。

    宗忠神社・逆立ち狛犬(吽形・うんぎょう)_H30.06.15撮影
    宗忠神社・逆立ち狛犬(吽形) H30.06.15撮影

    よく見てみると像のあちこちに破損があるのがわかりました。左前足の先は欠けています。像に銘は特に見当たらなかったのですが、京都新聞の記事によると、1911(明治41)年からこの場所にあるそうです。

    宗忠神社・逆立ち狛犬(阿形)_H30.06.15
    宗忠神社・逆立ち狛犬(阿形) H30.06.15撮影

    阿形の狛犬の左前足は義足のように、何かの陶器で代用されていました。どちらの狛犬も、ヒビや欠け、破損が丸を付けた場所以外にも多くあります。陶器のため、100年も経つと経年劣化するのはどうしても避けられないのでしょう。

    宗忠神社・逆立ち狛犬(阿形)_H30.06.15
    宗忠神社・逆立ち狛犬(阿形) H30.06.15撮影

    今回は時間の都合で頂くことができませんでしたが、現在の宗忠神社の御朱印にも、2体の狛犬が印象が用いられています。また公式HPに備前焼の狛犬が"京都市内には当社を含め、二カ所しか存在しないようです。"との表記がありますが、調べてみたらもう一か所は五条坂の南側裏手にあたる鳥辺野の妙見堂でした。

    宗忠神社・逆立ち狛犬(吽形・うんぎょう)_H30.06.15撮影
    宗忠神社・逆立ち狛犬(吽形) H30.06.15撮影

    さらに逆立ち狛犬について調べてみると、京都市内では赤山禅院に石造の逆立ち狛犬を見つけることができました。妙見堂、赤山禅院ともに次回以降、取材をしたいと思います。

    真如堂方面_H30.06.15撮影
    真如堂方面 H30.06.15撮影

    鳥居の真正面、道路をまっすぐ進んだ先は真如堂です。金戒光明寺から真如堂、宗忠神社を抜けて吉田神社へ向かうコースは、私の大好きな散歩道、今回は吉田山の南端を護る、宗忠神社の逆立ち狛犬をご紹介しました。
    宗忠神社:京都市左京区吉田下大路町63(HP/アクセス
    H30.06.15取材 H30.10UP
    地図は国土地理院のものを利用しております。申請が不要であることを確認しましたが、関係各位で万一、問題がある場合は管理人までお知らせ下さい。

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