【時】鬼平犯科帳(吉右衛門版)第1シリーズ第4話・血頭の丹兵衛

カテゴリ【時】:時代劇の話
~時代劇の感想、雑感、ニュースを書いて行きます。



あらすじ
情け容赦ない急ぎ働きを行う盗賊、血頭の丹兵衛(日下武史)一味が江戸の町に出没する。その行動は神出鬼没で火付盗賊改の捜査も難航する。その最中、囚人が平蔵に現在出没している盗賊は本物の丹兵衛ではないとの情報をもたらす。その囚人こそ、野槌の弥平の知恵袋と呼ばれた小房の粂八(蟹江敬三)だった。若い頃、丹兵衛一味に加わっていた粂八は、破門されたにもかかわらず、盗めの掟3ヶ条を守る丹兵衛の姿勢に未だ心酔していたのだ。平蔵の計らいにより粂八は牢より出され聞き込みを行うが、捜査は進展しない。そんな中、またもや丹兵衛が現れた。生き残りの奉公人の証言により、丹兵衛一味は東海道の島田宿で落ち合うとの情報を得る。粂八は火盗とともに島田宿に急行する。その間、江戸では血頭の丹兵衛の名札を置く盗賊が現れた。丸屋に入った盗賊は、誰にも気付かれず30両入った金箱を盗み出し、その金箱をそのまま戻していたのだ。島田宿でついに丹兵衛と再会する粂八、しかし今の丹兵衛にかつての姿は無く、急ぎ働きも意に介さない外道の盗賊に堕ちていたのだ。粂八は一味に加わると見せかけて、一味の居場所を聞き出し平蔵が乗り込む。捕えられた丹兵衛に粂八は裏切られた怒りをぶつけるのだった。平蔵は粂八に帰路で密偵になることを説得し続けるが決心のつかない粂八。箱根で二人の前へへ現れたのは蓑火の喜之助(島田正吾)。盗めの掟3ヶ条を守る昔ながら盗賊である彼は、二人に丸屋のお盗めは自分の仕業であると明かす。そのお盗めは江戸での凶行を丹兵衛の仕業で無いと信じていた彼が丹兵衛の名を守るために行ったものだった。喜之助が去った後、喜之助を捕えないのかと尋ねる粂八に平蔵は見逃すことを告げ、粂八にも密偵にならないのであれば、二度と俺の前に姿を現すなと告げて立ち去る。ようやく決心した粂八は、平蔵の後を追って走り出すのだった。(1989年8月2日放送)


 この話は小房の粂八登場のエピソードにして私の大好きな話の一つ。盗めの掟3ヶ条が鬼平作品の中で大きな柱になっていることもよくわかる鬼平初心者にもお薦めのストーリーだ。深夜、役宅で久栄に盗み酒と見せかけて粂八に酒を振舞う平蔵。そこで深まる平蔵と粂八の心の交流、明かされる悲惨な粂八の生い立ちも見どころの一つ。ラストの平蔵の後姿にかぶせて流れ出すエンディングテーマも最高のタイミングだ。
 ラストで盗みの掟3ヶ条を守る盗賊は大目に見ると言う平蔵のスタンスを知り、密偵になることを躊躇していた粂八が決心して平蔵の後ろ姿を追う。ニヤリと笑った後に「長谷川様、お供致します」と平蔵の後姿を追って走り出すのだ。走り出す粂八の心を思うと実にいじらしい。これからの供は江戸までの旅の供では無く、命ある限り、密偵として平蔵の危険な任務に従うことなのだ。かつての仲間からは狗犬(いぬ)と蔑まれ、いつ無残な殺され方をしても不思議ではない。かつての丹兵衛を心酔していたように、信じた人物には命を投げ出してでもとことんついて行くという一本気な粂八を蟹江敬三さんが好演している。上下関係が固定された封建社会の中で、身分を越えて生まれる心の交流の一つがこれから始まって行く。
 サラリーマンの間で鬼平が理想の上司と言われるのも、部下にここまでの思いを持たせることができることもあるのだろう。どんなお年寄りに聞いても一番の鬼平の役者といわれる吉右衛門丈がその鬼平を演じ、小房の粂八を演じるために生まれてきたといわれる蟹江敬三さんが粂八を演じる。これ以上に最強で神な鬼平は今後現れないだろう。

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2013.03.04 | | Comments(0) | Trackback(0) | 【時】時代劇の話

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