【時】西順之助・考

カテゴリ【時】:時代劇の話
~時代劇の感想、雑感、ニュースを書いて行きます。


西順之助・考というタイトルは付けたものの、必殺マニアの方が書かれるような細かい考察では無く、多分に情緒的な話です。

必殺をダメにしたキャラということで、一番に名前が挙がるのが、ひかる一平氏の演じた西順之助。確かに今見ると初期の頃は特に、ひかる氏の演技力も含めてかなり酷いとは思うのですが、私はそこまで嫌いになれないんですよね。むしろ、秀(ひで)的な感じで、一人の仕事人の初めから終わりまでの生きざまを見届けたような気がします。

それを確かにしたのが、旋風編の最終話『主水、大奥の鶴を食べて失業する』のラストの主水のセリフ。爆発とともに水中に消えた順之助と、政が手を差し伸べるものの、川の中に沈んでいく銀平。それを見ながら主水が『この仕事は高くつきやがった・・・』川中美幸さんの「風花」とともに主水の舟が遠ざかっていく。

私はこのシーンで、旋風編において中村主水が本心から、順之助を仲間として、一人前の仕事人として認めていたということを思うと、今でも胸が熱くなるのです。加入当初の順之助は、仕事人は正義の味方だと言ってみたり、試験があるから仕事を休むと言ってみたり・・・プロ意識もなくアルバイト感覚もしくはうわべだけの正義感、ある時は的を殺せないと言ったこともあった。到底この先、仕事人として通用するキャラクターとは思えなかった。金をもらって人を殺すからこそ仕事人、そうでなければただの人殺し、根本的な思想さえわかりっこない奴だった。ひかる氏が初めて撮影所に入った時、袴の着方がわからず片方から両足を出していた、藤田御大相手に何十回もNGを出すといったエピソードもあわせて、現実とドラマがごっちゃになり、アイドルの片手間仕事で必殺を、仕事人を舐めているようにしか思えなかった。

映画『必殺! THE HISSATSU』では、主水のある意味、親心で六文銭との戦いに参加できなかったし、最終回の解散の時もいつもメソメソしていた。得物も最初は、雷電瓶という斬新なものでしたが、次は投石機?なんじゃこりゃという感じでした。しかし旋風編では、晴れて医者になることが出来て、主水からも先生と呼ばれるようになった。武器もワイルドにバズーカ砲。そしてあの最終回です。仕事人として、箸にも棒にもかからないような小僧が、人としても仕事人としても成長して、最後は誰よりも仕事人らしい、死体の跡形も残さない爆死という死に方をした、それを思うと思わず涙が。今、世界中で、西順之助のことを思って、涙ぐんでいるのは、間違いなく私一人でしょう。

大変失礼ながら、旋風編は藤田御大の舞台の都合で、御大にスケジュールを合わせることができる人を集めたと言われています。結果的には視聴率も悪く、後期の中でも駄作と言われがちですが、順之助を成長させて登場させ、最後に最も仕事人らしい退場のさせ方をしたのは、間違いなく正解だと思います。順之助への最後の贈り物でしょう。

このあとの『必殺4 恨みはらします』で順之助が出ているので、順之助は死んでいなかったという解釈もあるのですが、私は旋風編の最終回で順之助は火薬でバラバラになって死んだと思いたい。斬九郎の最終回の解釈とは真逆です。パラレルワールド的な世界で、西部警察パート3の最終回で大門圭介が死んだにもかかわらず、11年後のスペシャルでは普通に出演していたのと同じようなものです。

ちなみに、ひかる一平氏は、昭和の最大の名作と呼ばれるエピソードを持つ、金八先生パート2に出ていたことも大きいと思うんです。自分はひ弱なもやしっ子なのに、不良と呼ばれる加藤優に憧れて、加藤の後を付いて回り、暴走族の溜まり場であるスナックZでアルバイトをする、一番有名なセリフは「僕、加藤君が好きだ」。この椎野一(はじめ)の危なっかしさや未熟さ、子供っぽさは、そのまま順之助のキャラ設定につながっているような気がします。一と順之助の相違点は社交的かそうでないか位でしょうか。

私は、一世を風靡した金八先生パート1の時、まだ小学生でした。そしてパート2の時、ちょうどドラマと同じ中学生になり、ドラマと同じ目線でテレビの金八の世界を見ていました。金八終了後、3年B組を卒業したひかる氏が演じた西順之助は間違いなく、必殺の世界では私達の世代の代表でした。そんな所も西順之助に思い入れがある理由なのかもしれません。

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2013.06.13 | | Comments(0) | Trackback(0) | 【時】時代劇の話

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