【時】必殺仕事人2015 感想

カテゴリ【時】:時代劇の話
~時代劇の感想、雑感、ニュースを書いて行きます。


ミニブログコーナー:現在なかなか多忙の上に、書きたいことがたくさんあったので、必殺仕事人2015のコメントが今日になってしまいました。次回からは、たかせ会館の話の続きを描いていきます。
まず初めにいつも通り、私の新・後期必殺へのスタンスから。私はジャニーズ主体だからということで新・後期を否定していません。むしろ、このように時代劇に厳しい状況の中で必殺を続けてくれているということに、心から感謝しています。本当に必殺の流れが断たれてしまったら、新作を批判することさえできないのですから。"金を貰って人を殺すのが仕事人、貰わなければただの人殺し"という必殺の世界観と平尾昌晃先生の音楽世界を守ってくれれば、私はそれで充分に満足です。以上を踏まえて、今回の必殺、若干小さくまとまっていた感はありますが、前回ほど抵抗なく楽しく視聴することが出来ました。都の商売人さんがおっしゃるように、楽しんだもの勝ちです。

今回は改めて"仕事人のプライド、覚悟"がストーリーの核になっていたような気がします。もちろん、これを必殺の上っ面をなぞっただけ、必殺とは似て非なるものと批判する方々いるのもわかっています。ただ、ここまで愚直に必殺の世界観を教科書通りに描いているのは、原点回帰の意味でも素晴らしいと思います。
●土門組の仕事からさらに大きな仕事を探り出そうとする陣八郎に対し、小五郎の"世直し義賊を気取るつもりか"、"この裏稼業、世の為、人の為にやってるわけじゃねぇんだ。"
●前半の威勢良さから一転、お宮を斬られて腑抜けのようになる陣八郎。妻の供養をしない陣八郎をなじる涼次に対し"そんなに情にもろくてよく裏稼業やってこれたな"と陣八郎
●縁切り寺の仕事に、妻の敵討ち目的で参加する陣八郎に対し、逆に"情で動けば情に流される。と"涼次。
●さらに"金はいらねぇや"という陣八郎に対し、リュウの"やるならお金はとるべきです。じゃないと仕事とは言えない。ただの憂さ晴らしのための人殺しになる。"
●義母や妻に裏稼業がばれたら小五郎はどうするのかと尋ねる陣八郎に対し、お菊が"その時は迷わず二人とも殺しちまうかもね。"
必殺独自の世界観を、陣八郎という人間を通して見事に表現していました。一見、豪快でキャリアのある仕事人でも、結局は弱い一人の人間でしかなかった。まだ未熟な若者にさえわかっている、"金を貰って人を殺す"という最低限の歯止めを、頭に血が上ると忘れてしまう。仕事人は正義の味方でもスーパーマンでもなく、死ねば地獄に落ちるしかないただの人ということが一貫してストーリの根底に流れていたことは、注目すべきことと思います。想像になってしまいますが、陣八郎が、雉沢の殺しから外されたのは、感情に流されて仕損じる恐れがあり、小五郎が外させたのでしょう。この措置に対する陣八郎の思いは如何にと思いますが、お菊の小五郎なら二人とも殺しちまうのセリフのあとの、陣八郎の沈黙に、小五郎に対する、彼の仕事人としての強い敗北感を感じました。確かに、必殺仕事人2009第10話"鬼の末路"の最後で"俺は頼まれてねぇ"と、涼次の仕事を見てしまった依頼人を一刀のもとに斬り捨てた小五郎なら躊躇なく、こうもふくも斬ることができるでしょう。なお、今回エンディングがやや冗長な感がありましたが、お菊のこのセリフでスパッとで終わらせた方が、凄味があって良かったかもしれません。

余談になりますが、元とらの会会長の山田誠二氏が描いた藤田主水の最期は次のような脚本でした。
~裏稼業が発覚し奉行所にせんとりつを人質に取られた主水は、仲間の反対を押し切り二人の救出に向かう。せんは奉行所の拷問により絶命、りつは主水の裏の顔を知り、主水を刺して自害、深手を負った主水は捕り方に囲まれながら役宅の前で息絶える。~
この脚本は映画化前提で平成4年にスタートしましたが、残念ながらお蔵入りとなったそうです。是非、この壮絶なストーリは映像で
見てみたかったです。今回のお菊のセリフでこのエピソードを思い出しました。

白昼堂々、お宮が技の一つを見せてしまうシーン。自分の髪で相手の首を絞めるというのは、ブラウン館の蜘蛛の手のお時以来かと思いますが、主水さんいたら、怒られているはずです。前にも確か涼次も怒られていました。解釈としては、それほど陣八郎を守りたかったということも考えられるわけで、何とも言えませんが、あの技はスマートでなかなか良かったと思います。お宮の土門組での仕事シーンもバレエのような動きも素敵でした。琴の爪も得物にしてましたが、殺し技が分散してしまってそれぞれが薄い印象になってしまった感も否めませんが、まあそれはそれで良しとしましょう。

陣八郎の殺しのCGは蛇足です。あのレベルならない方が良い。せっかく最後まで陣八郎の殺しを見せなかったことが台無しになりました。瓦屋というと、必殺史上、THE HISSATSUの芦屋雁之助夫妻、橋掛人の萬田久子夫妻の瓦投げが連想されましたが、エンケンさんの"コツンと叩く"というコメントだけ聞いていたので、とても期待していました。メリケンサックで頭蓋を切り裂き、最後に一叩きで破壊というのは、面白いと思いますが、最後があんな漫画チックなのは・・・本当にもったいない。ただ、陣八郎の仕事シーンのBGMが仕業人の"いざ行かん"だったのは、赤井剣之介夫妻を念頭においての選曲でしょう。Good Job!

前回もそうでしたが、脈々と受け継がれてきた時代劇の常識、約束は守って欲しい。時代考証を正確にというのではなく、寺社奉行関連が明らかにおかしい。寺社奉行が"江田島兼良"というのも・・・。寺社奉行は通常どの時代劇でも○○守でしょう。あと、町方が寺社奉行の依頼で動くというのも変です。町方は寺社にノータッチという原則は描かれているのに。またこれは必殺だけではないですが、いちいち人名にテロップだすのもやめてほしい。

お菊が小五郎に、陣八郎を説明するシーンで"あたしらと同じ裏稼業もんさ"と云ったところがありましたが、ここは"ご同業さ"であって欲しかった。これは単に私が山田御大のこのセリフが好きだからでもあるのですが。

せっかく、悪役で竹中直人さんキャスティングしたのに活かしきれていなかった気がします。津川シリーズばりの怪演が見たかった。逆に女衒の梅助、あれはマツコ・デラックスさんのイメージでしょうか。殺される前のシーンでは多少、人がよさそうな感じでしたが、キャラクター的にはインパクトがあって面白かったと思います。

リュウについては触れないわけにいかないでしょう。知念君の"まだまだ板についていない"感は多分に感じますが、役と共に役者が成長することに期待しています。ただし"仏の道からも人の道からも"のような説教臭いセリフはまだ早い気が・・・しかし2回目の登場でベテランの仕事人相手に"やるならお金はとるべきです。"と言い切ってしまうところに、将来性を感じてしまいます。ちなみに西順之介は、仕事人3第2話では、潜入した湯女風呂でライデン瓶による感電事故で大騒動を起こしたあげく、仕事は試験勉強のために休んでいます。

CMも含めて必殺と思っていますが、スポンサーがORIHIRO、FUKUYA、タケモトピアノと地方企業が入っているのが、実に必殺っぽいです。小林製薬は金曜10時の時も提供していた覚えがあります。毎回ブルーレイ買うんですが、これだから初回放送時の録画保存もやめられません。

今回も言いたい放題で、石原監督はじめ、松竹京都映画のスタッフの皆様には大変申し訳ありませんでした。なんだかんだ言っても楽しんでますので、次回以降も宜しくお願い申し上げます。

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2015.12.02 | | Comments(0) | Trackback(0) | 【時】時代劇の話

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