【鳥】ただそれのみで佇む鳥居

カテゴリ【鳥】:京都の鳥居
~京都にある珍しい鳥居や特徴的な鳥居をピックアップします。


ミニブログコーナー:twitterで少しお知らせしましたが、今日からスタートした武田鉄矢さんの水戸黄門に直江喜一さんが出ていました。本当に少しだけの出演でしたが、金八ファンには何とも感慨深いものがありました。劇中で死んじゃいましたが、幸作も出てたし。あと敵の忍がなんか見たことあるなと思ったら、渡鬼の荘ちゃんでした。
今回は、"京のお伊勢さん"とも云われる、日向大神宮(ひむかいだいじんぐう)の鳥居をご紹介しようと思います。あまり目立たない場所にあるせいか、京都の方でも知らない方が多いそうですが、創建が第23代顕宗天皇の頃(西暦485~487?)と伝えられているので、京都の最古の神社の一つにとしても数えられています。最近、メディアでパワースポットや隠れ紅葉の名所として取り上げられるので、そのうち賑やかになってしまうかもしれません。

日向大神宮・三条通りの入り口_H29.04.25撮影
三条通りの入り口 H29.04.25撮影

まずは地下鉄東西線の蹴上駅からスタート。一番出口から出ると、すぐ目の前が三条通りです。三条通りを左へ登って行くように進むと、1分強くらいで写真の入口が現れます。この場所は、今は静かな場所ですが、かつては京の七口の一つである粟田口で、周囲は大変賑わっていたそうです。

日向大神宮・浄水場とインクライン_H29.04.25撮影
浄水場とインクライン H29.04.25撮影

石鳥居をくぐり、石畳の坂道を登って行きます。左右は一般の住宅街です。そして100m程で、大神宮橋という琵琶湖疎水を渡る石橋にたどり着きます。石橋の上から、右手に見える年代物の建築物は旧九条山浄水場の原水ポンプ室、左手に見えるのはにはインクラインの台車と木造船です。ポンプ室は明治45(1912)年、御所に防火用水を送るため作られましたが、大正天皇の視察があるため、わざわざ豪華に作られたそう。このような場所にはどうも不自然な感があります。

日向大神宮・安養寺との別れ道_H29.04.25撮影
安養寺との別れ道 H29.04.25撮影

橋を渡って、そのまま、ステップの広い石段を登っていきます。ちょうど春真っ盛りの時期なので、道端に咲く野草は美しい花をつけ、時折、鶯の声も響くのどかな風景です。石段を登りきり、安養寺門前の一番右の細い道を登って行くと、一般の住宅街に出ました。この先の道の左側は崖になっており、ここから山が始まるところのようです。写真の2本の石柱は、鳥居の柱でした。どうやら笠木と貫が壊れてしまったようです。

日向大神宮への石段_H29.04.25撮影
日向大神宮への石段 H29.04.25撮影

滑り止めの彫り込まれた最後のやや急な坂を上がると、少し息があがってしまいました。わずかに平らな場所まで上がりきると、左手に日向大神宮の本殿方面に上がって行く石段があります。ここまで文字で書くと、かなり歩いたように感じられますが、駅からわずか10分弱程度の道のりです。今回の目的である鳥居に向かうには、この石段を上がらずそのまま直進して山道を進んでいきます。山道を少し登ると、もう左側は谷状になっていて転げ落ちたら危険です。

頂上への道_H29.04.25撮影
頂上への道 H29.04.25撮影

石段は途中とても急になり、うねうねと登っていきます。先ほどよりも息が切れてきました。それが終わると岩肌や木の根の道です。案内を見ると、それもそのはず、この道は既に京都一周トレイルの一部のようです。

頂上への道_H29.04.25撮影
頂上への道 H29.04.25撮影

途中に鉄塔がある以外は、本当に深い山の中という風情で、とても駅から15分程度の所とは思えません。トレッキングをしている方にもちょこちょこと出会うので、人に会うと何かホッとします。

日向大神宮・山頂の鳥居_H29.04.25撮影
山頂の鳥居 H29.04.25撮影

山道を登り切ると、ようやく平らな場所に出ました。そこには5、6メートルほどの大きな石鳥居が、鳥居だけを祀るかのように囲われ、ただそれのみで建てられています。普通、鳥居の先にはお社があるはずなのですが、先には何もありません。というか鳥居の先は空中です。

日向大神宮・山頂の鳥居_H29.04.25撮影
山頂の鳥居 H29.04.25撮影

種明かしをすると、実はこの石鳥居、山頂から伊勢神宮を遥拝するための鳥居なのです。この鳥居は伊勢神宮の方角を向いており、鳥居に向かって手を合わせると、伊勢神宮を参拝したことになります。地図にも、ここは"伊勢神宮遥拝所"と記載されています。

日向大神宮・鳥居の石碑_H29.04.25撮影
鳥居の石碑 H29.04.25撮影

日向大神宮には伊勢神宮同様、内宮外宮があることもありますが、"京都のお伊勢さん"とよばれるのもこの遥拝所があることによるのでしょう。残念ながら、現在、伊勢神宮の方角は木が茂っていて先を見通すことができません。(おそらく隣の山肌が見えると思いますが。)

日向大神宮・切り株の賽銭_H29.04.25撮影
切り株の賽銭 H29.04.25撮影

この鳥居は、昭和5(1930)年6月建造の銘が入っていますので、およそ90年ほどもこの場所に佇んでいることになります。そして、鳥居の真下の切り株には、裸のまま置かれたお賽銭、そこには時代劇のワンシーンのように、昔ながらのとてものどかな風情が感じられました。手を合わせた先に、植えられているのは榊でしょうか。

日向大神宮・山頂の鳥居から京都市街_H29.04.25撮影
山頂の鳥居から京都市街 H29.04.25撮影

鳥居に背を向けると、反対側は木々の間から京都市街が見下ろせます。良く目立つ赤い鳥居は平安神宮の大鳥居です。真偽のほどは定かではありませんが、WEB上では平安神宮の大鳥居は、御所とこの遥拝所を結ぶラインに建てられたとの記載もあります。

御所と日向大神宮遥拝所を結ぶ地図

この地図がどこまで精密かわかりませんが、ラインを引いてみると、京都御所(御常御殿)と日向大神宮の伊勢神宮遥拝所を結ぶラインは、確かに平安神宮の大鳥居を通っています。おそらくこのラインを南東に伸ばすと伊勢神宮まで続くと思うのですが、何か神秘的な力のようなものを感じざるを得ません。

日向大神宮・社務所付近の鳥居_H29.04.25撮影
社務所付近の鳥居 H29.04.25撮影

山を下りて、日向大神宮の中心部に戻りました。するとこの場所の二つの鳥居には、他ではあまり見られない特徴があることに気付きました。こちらは参道を上ってきて内宮外宮のある平らな場所に上がる鳥居です。島木に丸い金の金具のようなものが取り付けられています。反対側にも同じように取り付けられていました。

日向大神宮・内宮前の鳥居_H29.04.25撮影
内宮前の鳥居 H29.04.25撮影

こちらは内宮前の鳥居ですが、外側のみ同じように、島木に丸い金の金具が取り付けられていました。不思議に思い社務所で伺うと、本来は釘隠しの目的があるようなのですが、実際のところ、これが何なのかは意味不明だそう。ただ、他とは変わった仕様があるというのは、神社としての格が高いとのことで、取り付けられた金具の偶数奇数にも何か意味があるそうです。

日向大神宮・内宮前の鳥居_H29.04.25撮影
内宮前の鳥居 H29.04.25撮影

貫に沢山の小石が乗っていました。下から石を投げて、貫に乗ると願いが叶うという言い伝えがありますが、神社的には鳥居が破損するのでして欲しくないそうです。

内宮前のシャガの花__H29.04.25撮影
内宮前のシャガの花 H29.04.25撮影

最後に境内に、今が盛りと群生しているシャガの花の話。社務所で頂いたタウン誌に、京都の写真家・水野克比古先生が撮影された内宮をバックにしたシャガの写真がありました。スマホなので恐縮なのですが、構図を真似をして撮影してみました。

内宮前のシャガの花__H29.04.25撮影
内宮前のシャガの花 H29.04.25撮影

学名のIris japonicaは"日本の虹"を意味しています。薄紫色で可憐な花が群生している立ち姿は実に清楚です。花の姿を借りた妖精が、古来からの神聖なこの杜を守り続けているような気がします。

H29.04.25取材
日向大神宮:京都市山科区日ノ岡一切経谷町29(アクセス)

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2017.10.05 | | Comments(0) | Trackback(0) | 【鳥】京都の鳥居

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