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    【時】必殺仕事人(2018)  所感

    カテゴリ【時】:時代劇の話
    ~時代劇の感想、雑感、ニュースを書いて行きます。


    今回はまず野際陽子さんがお亡くなりになられたことに触れずにはいられません。昨年の初めにこの作品が撮影され、野際さんが亡くなったのが6月、あまり病状も良くない中の撮影だったそうなのですが、今作の中では、病気であることをみじんも感じさせませんでした。野際陽子さんの心よりのご冥福をお祈り致します。

    私は毎回、必殺新作の所感を公開していますが、その中で必ず書いていることがあります。いつものことになりますが、少しお付き合いください。私は今、復活している必殺シリーズを新後期と呼んでいます。いわゆる後期必殺からこの世界に入った私も、もう古参のファンの部類に入ると思いますが、私は新後期を否定はしません。”敢えて”という言葉は入りません。全く否定しません。むしろ応援しています。近年はBSでも時代劇が作られるようになりましたが、地上波ではまだまだ時代劇は昔のようにとはいきません。その中で、年一度でも、必殺が見れる喜びは計り知れないものがあります。先日、どなたかがツイッターで”新作が放送されて、皆が喧々諤々となるのは必殺ぐらいでは”とつぶやいておられました。新しい必殺を見て、老いも若きも喜んだり批判したり、何と楽しいことではありませんか。放送していなければ批判することさえできないのです。ジャニーズ、ジャニーズとはいっても、東山さん、松岡さんは既にベテランでありますし、知念くんはまだまだといいつつ、西順之助を演じたひかる一平氏の例もあるではないですか。年に一度のこの放送をお祭りのように皆で楽しむこと、これがゆくゆくは恒常的なシリーズの復活につながるのではと思っています。最低限の枠組みとして、今回、冒頭で奇しくもリュウが同じようなことを語っていますが、”金を貰って人を殺すのが仕事人、そうでなければ只の人殺し”という最低限の必殺の世界観と平尾昌晃先生の音楽世界を守ってくれるのであれば、これからの必殺も是非是非応援していきたいと心から思っています。

    前置きが長くなりましたが、平尾昌晃先生に対してもご冥福を祈らなければなりません。今年亡くなられた平尾昌晃先生の必殺における存在感はまさに巨星、先生の死は”巨星墜つ”と感じました。先生の作る音楽世界が無ければ、私はこの世界に足を踏み入れていなかったことでしょう。別系統で作られる必殺に何か物足りなさを感じるのも、先生の音楽世界がないことが大きいと思います。必殺を必殺たらしめていたのは先生の音楽作品群です。多く放送された追悼番組で、必殺に触れることが少なく、不満に思っていたので今回は追悼番組という意味も含めて視聴しましたが、改めて必殺の中での平尾昌晃という存在の大きさを噛みしめました。ご冥福をお祈りいたします。どうぞ安らかにお眠りください。

    さて本題に入ろうと思います。今作の目玉としては、まず挙げられるのは中村主水の復活でしょう。もちろん賛否はあるとは思うのですが、劇中ではまだ元気に生きている主水の姿を拝むことが出来たのは、ファンとして正直に嬉しかった。しかし、主水が出てくるシーンまでは随分とじらされました。1回出てきそう出てこなかったりと肩透かし、思わず“やられた”とニヤリでした。主水が姿を見せたのは放送開始から1時間38分後。番屋のシーンに入っても顔が出てくるまで、そこそこ焦らしてくれました(笑) 今回、主水の復活が発表されてから、私はどのような扱い、シチュエーションで登場するかがとても興味がありました。”アヘン戦争”の時の棺桶の錠のように現場に一瞬の登場なのか、それとも小五郎の夢の中に登場する? もしや幽霊?・・・色々と想像し、当日まであえて情報を入れないようにしていましたが、結果的にしぶとく普通に生きていたという、実に主水らしい出演の仕方でした。藤田御大が亡くなった際に”2010”では、西方へ赴任したということにし、御大が亡くなったことを西方浄土への赴任という表現にしたことには、思わず泣けてきましたが、物語の中ではまだまだ生きていた。私はある意味、必殺は金八同様、主役交代に失敗したシリーズと思っているのですが、こういう形で主水が永遠に生き続けるのもありなのかなと思ってしまいます。
    小五郎のために自らが頼み人となるところは、必殺4で子供たちの仇をとるために”ただじゃねえ”と残された独楽を握りしめながら、右京亮との最終決戦に向かうシーンを思い出しました。今回の場合、通常なら小五郎が自身で頼み人になれば良さそうなものですが、それができない小五郎、それどころか”ただの人殺し”になってしまいそうな彼を仕事人たらしめ、なおかつ彼の心に刺さった棘を抜いてやるために、“ただじゃねえ”とばかりに金を出したところに主水の後輩に対する温もりをはっきりと感じました。
    出陣のテーマの時に主水が現れたシーンでは、ありえないとはわかりつつ、仕事に参加するのかと思わず心躍ってしまいましたが、あそこは蛇足だったかもしれません。番屋のシーンだけの方が印象が強まったと思います。このようなことを毎回やるのはどうかと思いますが、今回は新後期が復活して10年という記念の年。祭の中の祭として、御大に再会できたことを喜ぼうと思います。Special thanks 中村主水

    さて本題の感想なのですが、前回が良かった分、少しがっかりしたというのが正直なところです。今回、小五郎の過去が明らかになるということもメインだったわけですが、どうもどこかから借りてきたような話で薄ぺっらな感じがしました。オープニングが女の土左衛門の顔から始まり、壬生の幻楼の登場で仕事人VS外道仕事人的なハードな展開を期待したのですが。今作は子供たちを使ったイスラム国の自爆テロをストーリに持ち込んだわけで、首謀者の”壬生の幻楼”は同情の余地が全くない絶対的な悪、一点の曇りもない悪でないといけない訳です。それを小五郎の過去と絡めるとどうしてああなるのか。押し込みに入った先で家族を皆殺し、子供が一人生き残って大人になり・・・というのは、随分と使い古されたストーリーで、もっと違ったネタは無かったのかと思ってしまいました。すずらんの複雑な心情描写でストーリーに厚みが出ていたとは思いますが、10周年で御大復活と組み合わせるにしては、やや物足りなさを感じました。ラストの、幻楼が子供だった小五郎が隠れていることに実は気付いていて、それを仏心で助けてやった、だから仏心で俺を助けてくれないかというくだりは、幻楼のワルさをより際立てていたかなと思います。リュウが最後の最後に記憶を取り戻すというのも、かなり予定調和。陣八郎が退場するのはもったいないですが、あそこは私なら陣八郎を殺すと思います。

    ところでツイッターでは、江戸時代になかったものを使用するのは辞めてほしい旨の意見が出て、細かいことを言うなと批判されていました。これはおそらく暗器のことでしょう。私も聞きなれない言葉だったので調べてみたら、中国武術で使われる武器のことだそうです。私も、時代劇の中の常識を破ってくれなければ、細かいことはどうでもいいと思います。確か山内Pが仰っていたと思いますが、”必殺はかつらをかぶった現代劇”のなのです。旋風編の“主水、ワープロをうつ”で御大が主水の姿のまま、ワープロ(死語!)をうっておられる姿を懐かしく思い出しました。今回、時代劇を通じて現代社会を風刺する、必殺の精神はまさに健在でした。今回、このような不寛容社会の中で、イスラム国をテーマに扱うのはやや勇気がいることだったのではないでしょうか。妙なクレームが来ていないか心配ではありますが、現代世界の大きな問題となっている自爆テロや無差別殺人を時代劇に取り入れ、その非道をリアルに発信していました。特に子供を騙して洗脳し、テロを起こすことの許し難さは怒りを覚えます。雀蓮がおりんを矢で射て自爆させる設定は、実に現実世界とリンクして妙に生々しかった。

    以下、個々のキャラクターの簡単な感想です。涼次は坊主キャラへ移行していましたが、松岡さんの年齢的なものなのか、美形のキャラを空ける必要があったのでしょうか。単に変えたかっただけ?個人的には前の方が好きです。今回のチームにビジュアル系がいなくなったのは残念。性格は豪快闊達で美形風というところが面白かったのですが。陣八郎は大分チームになじんでいる感じで、前回は出演が少なかったですが、今回はキャラもはっきりしてきたと思います。仕事のシーンのあのアニメはもう慣れました。もうよしとします。リュウもまだまだ板についていませんが、顔も少し大人の顔つきになってきたと思います。まだまだこの借りは君に預けておきます。” 青臭いはなたれ小僧”を演じていられるうちが華!今後に期待です。次回は、仕事シーンは先輩のお目付付きから卒業できてると嬉しい。

    小五郎なのですが、今回、一番の疑問だったのが、最後の仕事シーンで子供に顔を見られているのに、そのままにしているどころか”漢字の一つでも覚えろ”と訓示まで垂れていること。オープニングの仕事でリュウに”頼み人に顔見られたらどうするか忘れたか”と一喝していた小五郎とは思えません。”2009”の”鬼の末路”で現場に現れた頼み人を涼次が唖然とする中、”俺は頼まれてねえ”(この時、小五郎のみ仕事を頼まれていなかった)と一刀両断するシーンが好きなので、ここは納得がいきません。自分の顔を見た子供を生かすことが、”鬼”ではなく”人が成った鬼”ということなのか。とにかくここのキャラのブレは気持ち悪いです。
    和久井映見さんは、昨年の4月から9月まで私の中では”ひよっこ”の愛子さんだったので、お帰りなさい、お菊姐さんでした。最後まで”仕事の掟”に拘るところと着物の重ね着(というんでしょうか、左右の柄が違う着方)大好きです。

    さて、長くなってしまいましたが、今回も一ファンの言いたい放題のお目汚し、誠に申し訳なくお恥ずかしい限りです。石原監督はじめ、出演者、スタッフの皆様、今回も楽しませて頂きました。今回2017年に放送が無かったので、必殺の火が消えてしまうかもと少々焦りましたが、今放送して頂いてありがとうございました。時間がかかりましたが、一生懸命感想を書かせて頂きました。次回も是非楽しみにしています。

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    テーマ:時代劇 - ジャンル:テレビ・ラジオ

    2018.01.22 | | Comments(0) | Trackback(0) | 【時】時代劇の話

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